トルネード対策マニュアル

令和3年5月7日
1.当地での発生状況
 米国では1年間に平均1,000件のトルネードが発生しています。このうちテキサス州においては、年間平均130件、オクラホマ州では年間平均52件発生しています。

2.トルネードについての基礎知識 
(1)米国では竜巻は陸上竜巻(トルネード:tornado)、空中竜巻(ファネル・アロフト:funnel aloft)、水上竜巻(ウォーター・スパウト:waterspout)の三つに分類されています。空中竜巻 とは、地表面に接しないものを指します。 
 (2)空気の下層と上層の間の温度差が大きいことに加え,空気の擾乱が激しい場合に竜 巻が発生しやすいです。ハリケーンの到来時や山の斜面や沿岸部や地表の 近接地点で温度差が生じる場合があげられます。 
(3)トルネードの現象としては、(ⅰ)押しかかってくるような黒い雲の大きな塊が生じる、 (ⅱ)初期の段階では雨は降らず日照が見られることもある、(ⅲ)突然風が強くなり、 遠方に雷が生じることもある、(ⅳ)周囲の木の葉やごみが突然激しく旋回し始めるなどです。渦巻きの風速は100メートル /秒を超え、移動距離は数百メートルから数百キロメートルに及ぶことがあります。 
(4)米国の竜巻は、南西から北東に向け移動することが多く、不連続線や積乱雲の境目に沿って進む傾向があります。          
 
3.トルネードの予報、警報
(1)トルネード予報 
(ア)トルネードは、局地的に発生し、通常数分から数十分で終了します。トルネードが発生する場合、各自治体等から警報が出されるので、最新情報を入手して身の安全を確保してください。 
(イ)トルネードの発生見込み地域やその規模はある程度予測可能といわれていますが、 竜巻の具体的な発生場所や進路は直前でしか分かりません。 
(ウ)「ウェザー・ラジオ」を備え、常時スイ ッチを入れておくと、竜巻の警報発生時にラジオから警報が鳴ります。家庭やオフィスに常備しておくことをお勧めします。 また、事前に登録しておくと、緊急警報を通知してくれる自治体もあります。
 
(2)警報
(a) Tornado Watch   トルネードが地域に発生する可能性がある。
(b)  Tornado Warning トルネードが気象レーダーで確認された。
(c)  Severe Thunder Watch 雷雨発生の可能性がある。
(d) Severe Thunder Warning 雷雨が発生中  

             
4.発生時の避難方法 
(1)建物の中にいる場合、避難用の地下室に入り込めばほぼ安全である。避難用の地下室がない場合は、窓ガラスから離れ、家の中心部など建物の中で構造的に強いところ(柱の本数が多いトイレや建物の角)を選んで身を置き、竜巻の通過を待ってください。窓は必ず閉めてください。 
 (2)自動車を運転中の場合、自動車の中にとどまることは危険です。自動車から出て地面のくぼみ(地表面より低い場所) を探し、身を伏せて竜巻の通過を待つようにしてください。陸橋の下は風が集中し強まることがあるので避けてください。  
 (3)屋外にいる場合、直ちに頑丈な建物内に避難してください。時間がない場合には、道路より低いくぼみを探し、身を伏せ、竜巻の通過を待つようにしてください。川や池など水面の近辺や山や丘など高低差のある地形には近づかないようにしてください。