![]() |
総領事のヒューストン通信 |
ヒューストン日本商工会常任委員会(8月22日)での山本総領事挨拶
在ヒューストン日本国総領事 山本条太
本日は、商工会次期役員改選の運びと伺っております。上野会長始め現執行部の皆さまには、日米交流の裾野を広げ、日本の立ち直りを力強く発信する上で、大変なご尽力を賜りました。改めて御礼申し上げたく、また、その良き伝統が新たな執行部の皆さまにも引き継がれますことを確信しております。
今月28日から日米草の根交流北テキサス・サミットが始まり、11歳から85歳まで200名近くのお客様を日本から迎えます。テキサス・レンジャーズとの交流もあります。トモダチ・イニシアティブのもと、地震被災地の気仙沼、石巻、南三陸の中高生もお迎えします。釜石の中学生グループの参加も決まりました。ホスト側は、北テキサスの15の都市がホームステイ先となり地域を挙げての大歓迎となります。更に多くの都市が手を挙げましたが、収拾がつかなくなるので丁重にお断りしました。サミット開催に当たり、幾多の日本企業から暖かなご支援を賜りましたこと、重ねて御礼を申し上げます。
報道でご存じかもしれませんが、テキサス高速鉄道計画につき一言ご報告します。JR東海始めチーム日本は、先のハリス郡長官エクルス氏が代表を務める「テキサス・セントラル高速鉄道」を前面に立て情勢把握を進めています。先週、エクルス代表は2020年までに民間主導で北テキサス・ヒューストン間の高速鉄道を実現する、その後第二段階としてオースチンやサンアントニオとの連結も追求する旨の構想を明らかにし、連邦予算に頼らない民営事業を想定している点に注目を集めました。テキサス側に関心あらば、チーム日本は新幹線システムをもって協力する用意がある、これが私共の立場です。今回の発信への反応につき、今後綿密な分析が尽くされることとなりましょう。
活発な企業活動の前提は安全安心の確保です。ヒューストンは快適便利な街ですが、却って身近な危険が見えにくいかもしれません。銃の携行使用や飲酒運転に寛容なこと、中南米その他からの不法入国の中継点で、それに伴う犯罪の温床もあることなど、常に注意が必要です。ハリケーンや感染症など、日頃の備えが必要なことには備えを尽くす必要があります。現在、ウェストナイル熱がテキサス全土で流行しており、ダラス郡、ダラス市は相次いで非常事態宣言を出しました。ヒューストンでの患者の死亡も確認されています。一部地域では殺虫剤の空中散布が実施されます。テキサス在留の人だけではなく旅行者にも注意願う必要がありますので、21日付けで外務省から感染症スポット情報を出しました。
これらの事柄は、お知らせメールなどを通じ頻繁にお伝えしていきます。小さな何気ない注意こそ、危険予防・危険回避の大きな一歩と心得ております。総領事館のウェブサイトも、今週からトップページのレイアウトを変更し、旅券、証明事務や生活・安全上の注意点など身近な情報を、更に見やすくまとめて掲げることとしました。定期的なご参照を願います。
安全安心の確保には各自個別の備えがまず大切ですが、日本というまとまりで日本人コミュニティ全体への好感や信頼を稼ぎ出すことも、安全確保の大切な手立てです。ヒューストンには、活発な文化交流を通じてそれを実現できる環境とネットワークがあり、実際、商工会から各企業から多大のご支援を仰ぎながら、その活用に努めてきました。成果は着実に、確実に挙がっています。
文化交流を更に効果的、効率的に進めるためには、ノウハウや人脈の集積ときめ細かな宰配が必要です。この点で特にヒューストン日米協会には、その特色を活かし要としてのご尽力を期待をいたしたいと思います。今後の重要行事につき後ほど直木会長からご紹介がありますし、今月末の全米日米協会連合年次総会を通じ各地様々なグッドプラクティスの吸収を進められ、また、当地での発信を更に強めていかれるものと思います。本日この場にご出席の皆様には、そのような日米協会ご自身の努力や発信への注目を続けていただけますよう、お願いを申し上げます。