在ヒューストン日本国総領事館

Consulate-General of Japan in Houston

総領事館案内
総領事のヒューストン通信

新年祝賀会での挨拶
2010年1月14日

在ヒューストン日本国総領事 大澤勉

 

皆様、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。本年が皆様にとりまして良い年となることを心からお祈り申し上げます。

私が在ヒューストン日本国総領事として当地に着任してから、早くも2年以上が経ち、ヒューストンでの新年会もこれが3回目となりました。本日ははるばるオースチン、フォートワース、サンアントニオなどからも在留邦人の方がお見えになっていますが、この2年あまりに思いを馳せると、総領事館のあるヒューストンはもちろん、私が訪問したいずれの地においても、在留邦人の皆様方が地域にしっかりと根を下ろし、社会のため積極的に活動し、現地のアメリカ人から深い信頼を得ている様子を強く思い起こします。日米交流の根本がこのような在留邦人の皆様一人一人の日々たゆまぬ努力によって支えられていることを改めて心に刻みつつ、本年も皆様へのサポートに全力を尽くして行きたいと決意を新たにしております。

昨年は日米両国での政権交代に象徴される通り、激動の年であったと言えましょう。米国では1月のオバマ新大統領就任、また、日本でも昨年8月末の衆議院総選挙の結果、政権交代が起こったことは皆様ご存じの通りです。

かかる激動の中、テキサス州、オクラホマ州の日本人社会が発展し、日本人の皆様が様々な分野で活躍されていることは誠に喜ばしいことです。まず、宇宙分野においては、若田光一宇宙飛行士が、昨年3月から7月までの約4ヶ月間、日本人初の長期滞在クルーとして国際宇宙ステーションISSに滞在し、その間、日本実験棟「きぼう」を完成させました。12月には野口聡一宇宙飛行士の搭乗するソユーズが打ち上げられ、ISSにおける約半年間の長期滞在が開始されました。なお、後ほど、ISSに滞在する野口飛行士からこの会場に新年を祝うメッセージが届くかもしれません。本年3月には、山崎直子宇宙飛行士がスペースシャトル「ディスカバリー」号にてISSに到着し、初の日本人2名による宇宙同時滞在が実現します。その後も、古川聡宇宙飛行士及び星出彰彦宇宙飛行士が長期滞在クルーとして続く予定であり、現在他の宇宙飛行士とともに準備と訓練に励んでいます。

スポーツ分野では、アストロズの松井稼頭央選手が、イチロー及び松井秀喜選手に続き、日米通算2千本安打を8月に達成し、日本の名球会の一員となりました。文化関係では、辻井伸行氏が、6月にフォートワースで開催されたヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝しました。ヒューストンのオペラ・イン・ザ・ハイツでは日本人がアシスタント・コンダクターを務めているほか、ヒューストン・バレーでは日本人のバレリーナの方々が活躍しています。時間がないので全てをご紹介することはできませんが、この他にも、ビジネス、医療、研究、教育等の各分野において、多くの日本人の皆様が活躍していることを心強く思います。例えば、テキサスメディカルセンターでは日本の最先端の医師の方が研究を続けています。また、昨年の秋には、本日お見えになっている宇田川テキサス大学名誉教授が瑞宝中綬章を受賞されるということがありました。

今年2010年は、日米安保条約改定の50周年に当たり、日米関係を更に深化・発展させる重要な年です。今週月曜日にハワイで開かれた日米外相会談でもこの点が1つのテーマとなりました。当地においても、日本との関係でいくつかの重要なでき事があります。例えば、今年の秋には、いよいよヒューストン美術館にジャパン・ギャラリーがオープンし、その際には東京国立博物館所蔵の国宝も展示される予定です。また、ハーマンパークの日本庭園の改修工事が昨年ついに完了しましたが、改修工事を記念して、同庭園に茶室を寄贈していただいたヒューストン・サミット当時の総理である海部俊樹元総理大臣から揮毫していただきました。その石碑がこの春には披露される予定です。

本年も、テキサス州、オクラホマ州にお住まいの日本人の活躍が大いに期待されます。年頭にあたり、皆様の一層のご活躍を祈念して乾杯をしたいと思います。皆様グラスの準備はよろしいでしょうか。それでは、今年1年の皆様の益々のご健勝とご多幸をお祈りして、乾杯をしたいと思います。乾杯!